2022年8月13日土曜日

オオミズトンボ【実生増殖個体】



高校生の頃、憧れの花だったオオミズトンボ。
どうしても見てみたくて、お小遣いを貯め千葉の有名産地を訪れたところ、
既に花を咲かせるような株は絶えており、滅茶苦茶がっかり……。

それから暫く経った秋の暮、東北のとある山草店にお邪魔した際、
花のなくなったミズトンボのような草が植わった鉢に、
さらっと「オオミズトンボ」のラベルが貼られていました。
頼み込んで譲ってもらった翌年の夏、
真っ白の花が開いた時の感動は、今も鮮やかに思い出せます。



栽培は案外普通のミズトンボやサギソウと変わりません。
栄養状態が良ければ分球しますし、実生もそこまでハードルが高くないようです。
実生個体は、花にも多少のバリエーションがあって面白いです。

ちなみに現在、実生増殖で増やされている個体の一部には、
上記の東北のオオミズトンボの血が残っています。
(栃木県の大型系統が主のようですが)

湿地のように遷移や開発にさらされがちな環境に生きる植物は、
自生地よりも、人の手元に残されていたものの方が、
かえって長く保存されている例がしばしば見られます。

素晴らしい花、いつまでも絶えずにいてほしいものです。


2021年1月4日月曜日

ヒメトケンラン【斑入り・三光中斑】

 

長崎県で発見されたヒメトケンランの三光中斑。

葉の複雑な模様や地合いといい、
この手の地生ランらしからぬ個体寿命の長さといい、
陳腐化しない程度の適度な増殖率といい、
とにかく個人的な愛が止まらないヒメトケンランですが、
その中でも一押しの斑入り個体です。

芽出しからしばらくは地の紺が強いのですが、
時間の経過とともに柄が冴えていき、最終的にはこんな風になります。
白い中斑に紅が透けるこの感じは、
他の野生ランではなかなか見られない芸ではないでしょうか。

現状、比較的大柄といわれる甑島の覆輪よりも大きいです。
(単に作の問題かも?)
大切な預かり物ですので、当分はひっそり増殖に励もうと思っています。


今更ですがブログ始めました。

山野草という趣味に手を出してから早十数年、

まぁよくも飽きずにここまで続けられたものだと思う反面、

ふと虚しさを覚える瞬間も増えてきたように感じます。


界隈の過疎っぷりとか、環境的な限界とか色々理由はあるのですが、

一番は「やってることに進歩がねぇ!!」というところです。


と、いうことで、せめて自分の行いくらいは省みれるよう、

日々の記録を付けてみようと思い立ちました。

やたら堅苦しいHPとは違った形で何かできればと考えていますので、

ご興味ある方は、偶に覗いていただけましたら幸いです。